事業を始める前に、まずは算数のお勉強


私が住んでいる東大阪市は大阪市内から30から60分というベッドタウンで、マンションの新築物件も多く、外国人もよく見かける地域です。

そんな事も関係しているのでしょうか、ここ数年自転車店のオープンが目立っていたのです。

主要駅周辺から2KM範囲で考えてみても、コンビニ以上に自転車店があるという激戦区です。

そのうちの一つは昨年の夏に駅前にオープンしたのですが、店の主はまだ若く、さほど広くない店頭にはママチャリがディスプレイされている、というようなお店でした。

私にはいったいどんな勝算があってこの店を始めたのかほとんど謎でした。

そして今年になってすぐにこの店は空き店舗に変わっていました。実は昨年末から周辺で2店舗が閉店しています。

自転車は大人から子供までが使う手軽な乗り物で1家に1台以上も当たり前、そんな誰でも知っている知識でもって商売を始めているとしたら大問題。

少なくとも資本を入れてやる事業なのだから、一ヶ月の売上がいくらで年間でどれだけ稼ぎ どれだけ固定費(家賃、電気代等)を負担して、最終的にどれだけお金を残したいのかを考えておかないといけない、最初にやるべきこんな算数の計算をちゃんとしているのかと思ってしまう。

自転車1台あたりの粗利は、せいぜい40%もあればよいほうだと思います。

たとえば3万円の自転車を一台売ったら12千円の粗利があるとして、駅前の路面店を借りるなら月家賃は10万近くしてしまいます。単純にこれを稼ぐには 月8台以上コンスタントに売らないといけません。8台売るということは毎週2台売ることが必要。

たとえ週2台売れても、家賃を払ったらお金は残らない、つまり食べていけない。少なくともその倍、16台以上売らないと維持できないでしょう。

自転車は場所を取る、組み立てると積み重ねることも出来ない。
場所単価という点では効率の悪い商材であり、もし店のすべての自転車が一日で売れたとしていったいいくらの売上になり、いくらの粗利が残るのか、そこが100万円なのか500万円なのか商売の全体のボリュームがわかります。

なによりも市場がどのくらいなのか、先に近隣のお店を偵察して週単位、月単位でどのくらい売れているかを把握していないといけない。

参入しても十分な市場のパイが残されているのかを調べないといけない。

そしてたとえパイがあったとしても、このあとの参入者と戦える武器が有るのか、結局パイは縮小してしまうということを頭に入れていないといけない。

この2年ほどの間に周辺にオープンしたの4店舗の自転車店で今残っているのは2店舗、1店舗はイオンがやっているショップで、すぐには閉めないでしょうが、あとの1店舗は今年残れるか疑問です。

これぐらいの算数の計算なら誰でも出来るのだから始める前にやっておけば、また違った結果になったでしょうに。

※ 写真と本文とは何ら関連はありません

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