土で手作りする技術


今回も Primitive Technology の話題です。

この動画のなかでよく見かけるのが粘土を使って手作りするシーンです。

たとえば、広口の壺作りは手びねりという手法でつくっています。私たちの世代では小学校の図工の時間にやったあれです。
手で細長くした粘土を輪の形にして上へ上へと、積み重ねて円筒状の壺を作っていきます。

また小屋の屋根につかう陶器のタイル、日本の瓦ですがそれも手作りする場面があります。
予め木で四角い枠を作っておき、その枠に粘土を詰めて枠から外せば形状が同じ粘土のタイルが簡単につくれるのです。こんな作業も普段あまり見かけないのでなかなか興味深く見ることが出来ます。

さてこの動画では手作りした壺や屋根のタイルは、手づくりの窯で焼きます。そしてこれも日本人が思うものとはだいぶ違っていて興味深い。

この土で作られる窯は煙突を短くした様な形になっています。煙突の上から壺やタイルを入れて、下から薪をくべて火を入れる方式です。

火が入った状況はロケットストーブの構造を真似た雰囲気になっています。つまり煙突状の構造が上昇気流を発生させることで下から新鮮な空気が大量に取り込まれて窯の温度が高温に上昇するのです。

一見コンパクトな窯ですが効率は非常に良いものになっていて、よく考えられているなと感心するのです。

陶器の制作以外では小屋作りの作業で土壁を粘土でつくっています。日本家屋の土壁と同様に土壁の芯に当たる部分を細い木を組み合わせて基礎部分をちゃんと作っています。これで粘土をしっかり定着させているのです。

こういう高い技術が当たり前に使われていて、侮れないのがこの動画の魅力です。

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