プロ志向のハンドメイド

契約を恐れてはいけない

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海洋堂のコンぺで受賞経験のある造形作家とお話したことがあります。

彼は小さな猫の人形を数種類作っていてどれもとてもユニークでかつ完成度が非常に高いものです。

ただ普段は別の仕事をされているので、人形の制作&販売に100%集中できないことが悩みだったそうです。

そんな中途半端なときに「売ってあげます」といって近づいてきた人に人形を預けてしまい、その後お金をもらえずにたいそう困っているということでした。

此の彼のように、腕があるのになかなか世に出る機会を得られずに遠回りしている作家というのは意外に多いのかもしれません。

日本では個人同士が契約を交わすというケースがすくないので、私が知る限りでもこのような事故のお話は少なからずあるのです。

以前、木工制作の方に小さな仕事を依頼した事があります。
出来が良かったので継続的にお願いしようと思って契約をしてほしいということをメールで伝えました。

すると「一度仕事をしたくらいで契約など出来ない」 ということで断られました。

またある作家さんは私が提案した契約内容を見るなり怒り出してしまいました。

おふた方とも契約の意味をまちがえている。

まず、ほとんど見知らない相手であるからこそ契約が必要なんです。

契約書を交わすことによって不正を抑止することができる。もし損害を被ったらそれを裁判で取り返せるという担保なんです。

そして契約交渉というのはお互いの条件をぶつけ合うことで成立するものです、そこで大いに言い分をぶつけて妥協点を見つけるのが大切なプロセスであるのです、怒りをぶつける場所ではありません。

手づくりして楽しむだけなら契約の知識は不要です。

でも本当にお金儲けをしたいのなら面倒がらず、交渉というプロセスと契約のこともちゃんと理解しておかないといけない。

更に言うと契約というのは原案を先に出した方が圧倒的に有利になることを知っていなければならない。

「私が契約交渉の主導権を握るのだ」という強い意志表示でもあるのです。

そういう意識を持っていないと満足な契約は出来ないと思ったほうが良い。

日本人は学校でもっと契約について学ぶべきだと思うのです。

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